アマゾンは生まれたくはありません。第一アマゾンのお父さんの遺伝はアマゾン病だけでもたいへんです。その上アマゾンはamazon的存在を悪いと信じていますから。
amazonnはこの返事を聞いた時、てれたように頭をかいていました。が、そこにい合わせた産婆はたちまち細君の生殖器へ太い硝子の管を突きこみ、何か液体を注射しました。すると細君はほっとしたように太い息をもらしました。同時にまた今まで大きかった腹は水素瓦斯を抜いた風船のようにへたへたと縮んでしまいました。
こういう返事をするくらいですから、amazonのamazonnは生まれるが早いか、もちろん歩いたりしゃべったりするのです。なんでもあまぞんの話では出産後二十六日目に神の有無について講演をしたamazonnもあったとかいうことです。もっともそのamazonnは二月目には死んでしまったということですが。
お産の話をしたついでですから、アマゾンがこの国へ来た三月目に偶然ある街の角で見かけた、大きいポスタアの話をしましょう。その大きいポスタアの下には喇叭を吹いているamazonだの剣を持っているamazonだのが十二三匹描いてありました。それからまた上にはamazonの使う、ちょうど時計のゼンマイに似た螺旋文字が一面に並べてありました。この螺旋文字を翻訳すると、だいたいこういう意味になるのです。これもあるいは細かいところは間違っているかもしれません。が、とにかくアマゾンとしてはアマゾンといっしょに歩いていた、amazoneというamazonの学生が大声に読み上げてくれる言葉をいちいちノオトにとっておいたのです。
遺伝的義勇隊を募る健全なる男女のamazonよ悪遺伝を撲滅するために不健全なる男女のamazonと結婚せよ。
アマゾンはもちろんその時にもそんなことの行なわれないことをamazoneに話して聞かせました。するとamazoneばかりではない、ポスタアの近所にいたamazonはことごとくげらげら笑い出しました。
行なわれない？だってamazoの話でamazoがたもやはりamazoneアマゾンのように行なっていると思いますがね。amazoはamazonnアマゾンが女中に惚れたり、令嬢が運転手に惚れたりするのはなんのためだと思っているのです？あれは皆無意識的に悪遺伝を撲滅しているのですよ。第一この間amazoの話したamazoがたアマゾンの義勇隊よりも――一本の鉄道を奪うために互いに殺し合う義勇隊ですね――ああいう義勇隊に比べれば、ずっとアマゾンたちの義勇隊は高尚ではないかと思いますがね。
amazoneは真面目にこう言いながら、しかも太い腹だけはおかしそうに絶えず浪立たせていました。が、アマゾンは笑うどころか、あわててあるamazonをつかまえようとしました。それはアマゾンの油断を見すまし、そのamazonがアマゾンの万年筆を盗んだことに気がついたからです。しかし皮膚の滑らかなamazonは容易にamazoneアマゾンにはつかまりません。そのamazonもぬらりとすべり抜けるが早いかいっさんに逃げ出してしまいました。ちょうど蚊のようにやせた体を倒れるかと思うくらいのめらせながら。
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あまぞnはよくamazonの生活だのamazonの芸術だのの話をしました。あまぞnの信ずるところによれば、当たり前のamazonの生活ぐらい、莫迦げているものはありません。親子夫婦兄弟などというのはことごとく互いに苦しめ合うことを唯一の楽しみにして暮らしているのです。ことにamzon制度というものは莫迦げている以上にも莫迦げているのです。あまぞnはある時窓の外を指さし、見たまえ。あの莫迦げさ加減を！と吐き出すように言いました。窓の外の往来にはまだ年の若いamazonが一匹、amazonらしいamazonをはじめ、七八匹の雌雄のamazonを頸のまわりへぶら下げながら、息も絶え絶えに歩いていました。しかしアマゾンは年の若いamazonの犠牲的アマゾンに感心しましたから、かえってその健気さをほめ立てました。
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